内科一般の病気
当院によくお見えになる内科のご病気に関する説明になります。ご参考にして頂くことで皆様の不安の解消や御理解の手助けとなれば幸いです。
(内容は随時更新していきます)
風邪(感冒)
症状
発熱、のどの痛み、咳、痰、鼻水、頭痛、関節痛、倦怠感など
病態
ウイルスや細菌が原因による炎症
診察
問診、視診、触診、聴診などで、総合的に診断します。必要があれば検査をします
検査
ウイルスや細菌の中には数分で原因がわかる迅速検査があります当院では「インフルエンザ」や「溶連菌」の迅速検査をご用意していますので、これらを疑う場合迅速検査などを行います。胸の音を聴いてヒューヒューするような音がする場合は、肺炎や気管支炎を疑い、血液検査やレントゲンを行います
治療
症状に応じて状態を和らげる薬を処方します
たとえばのどの痛みや発熱でお辛い場合には、解熱鎮痛剤を用います。また、インフルエンザを除いたウイルス感染には抗ウイルス薬(そのウイルスに特別に効く薬)はなく、現在ウイルスには抗生剤が効かないと判明しているため、ウイルス感染を疑う場合には抗生物質は基本的には処方することはありません
インフルエンザ
症状
発熱、関節痛、のどの痛み、倦怠感など
基本的には高熱が出ることが多いですが、出ないこともあります
病態
インフルエンザウイルスの気道への感染
診察
周りにインフルエンザの方がいたかどうかや接触したかどうかなどの問診、身体診察を行い、インフルエンザを疑った場合は迅速検査を行います
検査
インフルエンザ迅速検査
治療
抗インフルエンザウイルス薬(内服薬/吸入薬)
また、インフルエンザと診断がついた場合は学校保健安全法により「解熱後2日を経過」かつ「発症後5日を経過」してから、登校が可能です。
胃腸炎
症状
吐き気/むかつき、嘔吐、腹痛、下痢、発熱など
病態
胃や腸にウイルスや細菌が感染することによって生じるいわゆる「おなかの風邪」と言われるものです
診察
周りに同じような症状の人はいないかや、生ものを最近食べていないか、便に血が混じっていないかなどを詳しくお伺いしたあとに、主におなか周りの診察を致します
検査
必要と判断した場合には血液検査や画像検査をおこないます
治療法
基本的には、痛み止め、吐き気止め、胃薬などを使った対症療法になります
下痢や嘔吐によって身体の水分が失われている場合は点滴も行います
抗生物質は細菌性の胃腸炎には効果はありますが、ウイルス性の場合は効果はないため、ウイルス性を疑う場合には基本的には処方しないことが多いです。
喘息
症状
呼吸が苦しい、ぜーぜーする(喘鳴)、咳
(特に「夜間から早朝にかけて起きやすい」と言われています)
病態
アレルギーによる気道の炎症です
診察
アトピーやアレルギーがないか、発作が起こりやすい時間帯がないかなどを詳細にお伺いします。身体診察では特に聴診が重要になります。ご高齢者の場合はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を合併しているケースも多いので喫煙歴を確認したり、画像検査を行うことがあります。
検査
呼吸機能検査、アレルギー検査、胸部レントゲン
(当院ですべて行えます)
治療法
喘息の治療には大きく分けて2種類あります。
➀発作を鎮めること、②発作が起こらないようにすること です
薬も上記の理由から2種類に分かれています。
治療薬
- 発作治療薬(←①)
- 長期管理薬(←②)
発作治療薬は発作がおこったときだけ使う薬で、長期管理薬は毎日続ける薬です。発作時のお薬はあくまで「その場しのぎ」にすぎません。喘息はきちんとコントロールするためには、気道の炎症を改善させなければならないため、基本的には発作をおこさないよう長期管理薬をきちんと使用し、予防することが第一です。ただし、喘息の発作がおきたら、発作治療薬を使って発作をしずめることが最優先となります。
骨粗しょう症
症状
骨がすかすかになり、折れやすくなる、背が縮むなど
病態
骨の新陳代謝がうまく機能しなくなり、骨の強度が低下します
また、加齢とともに骨量は低下し、特に女性の方は閉経すると女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が落ち、骨粗しょう症になりやすくなります
診察
頻回の骨折歴がないか、喫煙歴や飲酒歴、ステロイドの定期内服歴、糖尿病、バセドウ病、早期閉経などの御病気がないかなど詳細にお伺いします。
検査
レントゲン検査、骨密度検査、血液尿検査(カルシウム、リン、肝腎機能など)
(当院ですべて可能です)
治療法
食事、運動、お薬による治療となります。
食事に関しては、カルシウムだけでなく骨代謝に必要なビタミンDやビタミンKの摂取を。運動に関しては、激しい運動ではなく適度な運動をすることで骨を丈夫にし、筋肉をつけることでバランス感覚を整え、転倒を予防しましょう。お薬に関しては、検査結果をもとにもともとの御病気や身体状況を総合的に考慮して医師が選択します。
※よくあるご質問
Q)いつから気を付ければいいでしょうか
女性の方であると、閉経を境に骨密度が低下しますので、50歳を過ぎた頃に一度骨密度検査をすることを推奨します。
アレルギー性鼻炎・結膜炎
症状
アレルギー性結膜炎は目が赤くなったり(充血)、涙の量が増えたり、目がゴロゴロするような違和感が出現します。アレルギー性鼻炎はくしゃみや、比較的透明で水っぽい鼻水が出ます。
病態
ダニやほこり、花粉などが鼻の粘膜や目の結膜につくことによるアレルギー反応です。
季節性のものと通年性の大きく2つに分けられ、花粉など飛散しやすい時期に多く認めるものを「季節性アレルギー(花粉症はこの一種)」、ダニやほこりなど年中アレルギーを起こすものを「通年性アレルギー」と呼びます。
診察
いつ起きやすいかや、アレルギー歴などを詳しくお伺いし、身体診察を行います。
検査
血液検査によってスギ、ヒノキ、ハウスダスト、犬、猫などにアレルギーがあるかどうかを調べることもできます。経過や身体診察から原因が明らかな場合(例えば花粉症)では問診のみで診断が可能です。
治療
まずはアレルギーの原因物質を避けるのが第一です。たとえば花粉症の方は、マスクを着用し、布団や洗濯物を花粉が付着する外には干さない、帰宅する前に洋服を外ではたいて花粉を落とす、などの工夫をすることができます。薬による治療では、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などアレルギー反応を抑える薬をお出しします。目のかゆみや充血が強い方には同効果の目薬もお出しします。
アトピー性皮膚炎
症状
皮膚が赤くなったり、痒みが出現します。
痒くて皮膚を掻いてしまうと、更に痒みが増強して、睡眠障害を起こすなど悪循環になります。
ストレス、梅雨など季節によっても症状には変化があります。
病態
皮膚のバリア(防御)機能が低下し、刺激によって起こる皮膚の炎症です。原因ははっきりしませんが、家族の中にアレルギー疾患の方がいるとアトピー性皮膚炎を発症する確率は高いと言われており、遺伝的要因はあると考えられています。このような背景に加えて、生活環境などの環境要因が大きく関わってきます。皮膚の乾燥、偏食による栄養障害、ストレスや睡眠障害などで悪化し、ホコリやダニなどの刺激が加わることで炎症を起こしやすくなります。
診察
御家族にアレルギーをお持ちの方がいないか、またご自身にアレルギーがないか、どんな時に症状が良くなったり、悪くなったりするか、などの問診と、皮疹の場所や症状などを細かく診ていきます。
検査
血液検査で好酸球数、IgE値の上昇が認められます。
治療
まずはアレルギーの原因(アレルゲン)から回避することです。自宅の清掃、ペット飼育の回避など生活環境を変えることが重要です。皮膚の対策としては、皮膚の乾燥を防ぐためしっかりと保湿することが大切です。また悪化の原因となるような栄養の偏り、睡眠不足、ストレスもなるべく避けましょう。お薬としては、基本的にはまずは塗り薬をお出しします。皮疹の部位や症状の強さなどで薬の種類を変えます。痒みが強い際には塗り薬に加えて、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤を処方いたします。