メニュー

【高血圧ブログ|第7回】高血圧と体重、なぜ「少し痩せるだけ」で血圧が下がるのか?【内分泌代謝専門医が解説】

[2026.03.14]

高血圧と体重、なぜ「少し痩せるだけ」で血圧が下がるのか?

高血圧で通院中、外来で「減量しましょう」と言われたとき、頭に浮かぶのは皆だいたい同じだと思います。

「なんで太ると血圧が上がるの?」

「痩せたら本当に下がるの?」

「どれくらい下がるの?」

今回のブログではこの3つに、内科専門医かつ内分泌代謝専門医としてできるだけ分かりやすく答えていきたいと思います。

 

1. 太ると血圧が上がるのは、体の中で起きる変化があるから

体重が増えると、特に内臓脂肪(お腹の脂肪)が増えると、体の中で血圧が上がりやすい条件が揃ってきます。

 

覚えるのは3つだけで十分です。

 

①水分をため込みやすくなる

塩分や水分をため込みやすくなり、血液の量が増えやすい状態になります。血管の中の量が増えれば、圧が上がりやすくなります。

 

②血管が縮みやすくなる

同じ量の血液でも、通り道(血管)が少し細くなると圧は上がります。内臓脂肪が増えると、血管が縮みやすい状態になり、血圧が上がりやすくなります。

 

③睡眠の質が落ちやすい(いびき・無呼吸)

内臓脂肪が増えると、いびきが強くなったり、睡眠時無呼吸が隠れていることがあります。夜に血圧が下がりにくくなると、平均の血圧は上がりやすくなります。

 

「体重が増えた=見た目の問題」ではなく、血圧が上がりやすい体の状態に近づく。ここがポイントです。

 

 

2. 痩せたら本当に下がるの?

多くの方は下がりやすくなります。もちろん個人差はありますが、研究をまとめた解析では、体重を減らすと血圧が下がる方向に動きやすいことが繰り返し示されています。

 

3. 痩せたらどれくらい下がるの?

ここは期待しすぎても、軽く見ても良くありません。

 

目安としてよく使われるのは、

「体重が1kg減ると、血圧が約1mmHg下がる

というイメージです。

 

なので、ざっくり言うとこうなります。

 

  • 2kg減 → 血圧が2mmHgくらい下がる
  • 3kg減 → 3mmHgくらい下がる
  • 5kg減 → 5mmHgくらい下がる

 

「たったそれだけ?」と思うかもしれません。

 

しかし、数mmHgの差を何年も積み重ねるのが高血圧の治療です。脳や心臓のリスクを下げる意味は十分あります。

 

4. どれくらい痩せればいい?

いきなり大きな目標を立てる必要はありません。10kg単位のダイエットを想像すると、たいてい続きません。

 

最初の目標は小さくて大丈夫です。

 

体重60kgなら、

3%で約1.8kg、5%で約3kg。

 

まずはこのくらいからで十分スタートできます。短期で大きく落とすより、無理なくゆっくり落としていく仕組みが大切です。

 

5. 迷ったら、ここだけ整える(3つの習慣)

「何をしたらいいですか?」と聞かれたら、私はまずこの3つをおすすめします。

 

①夜の主食を少し減らす

朝や昼は変えにくいので、夜を整える方が続きます。ご飯は茶碗をひとまわり小さく。麺の大盛りをやめる。丼はご飯少なめ。

このくらいで十分です。

 

②間食はゼロにせず、ルール化する

週2回まで/15時だけ/買い置きしない。

どれか1つだけでいいので決めます。

 

③体重より先に「ウエスト」を見る

内臓脂肪が落ち始めると、体重より先にお腹まわりが変わることが多いです。(ズボンがゆるくなるのは良いサイン)

 

6. 体重が落ちても血圧が下がりにくいとき

体重を落としても血圧が思ったほど下がらないことがあります。そのときは、塩分、睡眠(無呼吸)、飲酒、ストレス、そして二次性高血圧など、別の要因も合わせて確認します。原因はひとつではありません。

 

7.高血圧での初診について

中央区日本橋人形町・水天宮前周辺で、高血圧を専門医に相談したい方は、内科・糖尿病・内分泌を専門とする玉寄クリニックまでお気軽にご相談ください。高血圧の初診では家庭血圧の記録が重要なため、初診はお電話でのご予約をお願いしています。

 

まとめ

太ると血圧が上がりやすいのは、体の中で「水分をため込む」「血管が縮む」「睡眠が乱れる」といった変化が起きやすいからです。体重を落とすと血圧は下がりやすく、目安としては「1kgで1mmHgくらい」。まずは数kgの減量でも意味があります。

 

完璧を目指すより、夜だけ整える、間食をルール化する。そんな小さな習慣の積み重ねが一番効きます。

 

次回予告|第8回

若いのに高血圧/薬が効きにくい高血圧|二次性高血圧を疑うべきサイン

 

▶︎参考文献(参照日:2026-03-14)

  1. 【論文】Influence of Weight Reduction on Blood Pressure(体重減少と血圧の関係:メタ解析)
    発行元:Hypertension(American Heart Association系ジャーナル)
  2. 【公的】高血圧
    発行元:厚生労働省 e-ヘルスネット
  3. 【学会】高血圧の10のファクト~国民の皆さんへ
    発行元:日本高血圧学会(JSH)

 

▶︎ 高血圧総合ページ

 

▶︎著者紹介: 

人形町 水天宮 内科クリニック 医師

 

玉寄クリニック副院長

玉寄 皓大(たまよせあきひろ)

  • 日本内科学会認定 内科専門医
  • 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
  • 日本内分泌学会認定 内分泌代謝科専門医

東京大学病院・聖路加国際病院で研鑽を積んだ内科専門医。現在は中央区日本橋にて、地域の皆さまに「わかりやすく噛み砕いた説明」と「安心できる医療」を届けることを大切にしています。高血圧は「怖い病気」ではなく、「正しく付き合えば、寿命も生活も守れる病気」です。一人で悩まずに、ぜひ一度ご相談ください。内科・糖尿病・内分泌の専門医として、“数字”だけでなく、“生活”と“将来”まで一緒に考える診療を心がけています。

 

 

HOME

ブログカレンダー

2026年6月
« 5月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME