貧血
貧血と言われたら・・・
「健康診断や人間ドックで貧血を指摘された」方や、「立ちくらみやめまいの症状があり貧血ではないか」と思われている方でどこの診療科を受診すればいいか迷われている方もいるかと思います。
結論から申し上げますと、迷われている場合は内科の受診をお勧めします。
貧血の原因を調べるには血液検査が必須のため、まずは内科を受診し、診察や検査の後に原因に応じて他の診療科に紹介となることもあります。そのため受診する科を迷う場合は、まずは内科を受診してみましょう。
ただし、次にお話するような症状も伴っている場合は、専門の診療科を受診した方がスムーズなことがあります。
以下の症状がある方は専門の科の受診を
貧血を起こす原因は様々です。そのため貧血と言われた場合は原因が何かをまず考える必要があります。
主な原因としては、どこかから出血している、消化器の病気、生理の異常、鉄やビタミンなどの栄養不足などが挙げられます。
日常の診察でみられる「貧血」の大部分は、鉄分が足りないことで起きる「鉄欠乏性貧血」であり、一般の内科で治療を行うことが可能です。
しかし、以下のような症状も認めている場合は、最初から専門の診療科を受診して、検査を行う方がスムーズなことが多いです。
①便に血が混じっている
胃や腸などの消化器系の病気が疑われます。
胃カメラや大腸カメラが必要となることがあるので、消化器内科への受診が推奨されます。
②尿に血が混じっている
泌尿器系の病気が疑われるため、泌尿器科への受診が推奨されます。
③生理の出血の量が多いと感じる
生理による出血の量が多いと感じる場合は、婦人科系の病気が隠れている可能性があるため、婦人科への受診が推奨されます。
以上、①-③のような症状がある場合は、最初から専門の診療科の受診されることをお勧め致します。上に書かれているような症状が特になければ、まずは内科を受診して頂くことでよいかと思います。
それではここからは貧血について詳しく説明していきます。
貧血とは
貧血を最も簡単に表現すると「血液が薄くなった状態」と言えると思います。
具体的には、健康診断などの血液検査でヘモグロビン(別名:血色素量)の値が低くなった状態のことを指します。
WHOの基準では、
- 成人男子は13 g/dL未満
- 成人女子や小児は12 g/dL未満
- 妊婦や幼児は11g/dL未満
と定められています。
ヘモグロビンとは「血液の中にある赤血球の濃さ」のことで、赤血球は肺から取り込んだ酸素を体の隅々まで運ぶ重要な役割を果たしています。
そのため、貧血になると、酸素を運んでくれる赤血球の数が減り、体の中の酸素が少なくなります。
その結果、以下のような症状が現れます。
貧血の症状
◆立ちくらみ
◆息切れ
◆めまい
◆動悸
◆倦怠感
など様々症状が出現します。
貧血の原因
貧血の原因の約90%は鉄欠乏性貧血という、いわゆる「鉄不足」が原因となっています。しかしそれ以外の10%程度はその他の原因で貧血を起こしており,場合によっては命に関わる重大な病気であることもあります。
最後に
当院では,血液内科の専門医である院長が貧血の原因について精査をした上で、適切なアドバイスおよび治療を行います。貧血についてお悩みの方は一度ご相談ください。
玉寄クリニック 副院長 玉寄皓大