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脂質異常症

脂質異常症(高脂血症)とは

脂質には以下の3つのタイプがあります。

 

①LDLコレステロール(通称:悪玉コレステロール)
②HDLコレステロール(通称:善玉コレステロール)
③中性脂肪(TG/トリグリセリド)

 

脂質異常症の診断を行う際は、採血(血液検査)を行い、

 

①LDLコレステロール:140mg/dl以上
②HDLコレステロール:40mg/dl未満
③中性脂肪:150mg/dl以上

 

これらのうち一つでも当てはまるものがあれば、脂質異常症と診断されます。

 

脂質異常症の症状

基本的には症状はありません。

そのため、健康診断や人間ドックなどで採血が行われた時に指摘されて気がつくことが大多数です。

 

脂質異常症を放置しておくと・・

血液の中でコレステロールや中性脂肪が増えてしまっている状態を放置しておくと、“血液がドロドロ”となり、血管にダメージを与えて、いわゆる"血管がボロボロ(=動脈硬化)"の原因となります。

 

脳の血管がボロボロになると脳梗塞を引き起こし、心臓の血管をボロボロにすると心筋梗塞を引き起こすなど、進行すると命に関わることがあります。

 

治療目標

脂質異常症の治療の目標は、

中性脂肪やLDLコレステロールの値を下げることで、"動脈硬化を進ませない"ことになります。

 

値の目標値は以下の通りです。

 

①LDLコレステロール:個人によって異なる
②HDLコレステロール:40mg/dl以上
③中性脂肪:150mg/dl未満

 

基本的にはどんな方もHDLコレステロールは40mg/dl以上、中性脂肪は150mg/dl以下を目標とします。

 

LDLコレステロールに関しては患者様のリスクによって設定する目標が変わってきます。

 

例えば、心筋梗塞をすでに発症されたことがある方は再発を防ぐのが重要になるため、かなり厳格に下げておく必要があります。

 

また、糖尿病、慢性腎臓病、末梢動脈疾患のいずれかがある人も、心臓の血管が詰まって命を落とすリスクが高い(冠動脈疾患死亡高リスク郡)ため、厳しめにLDLコレステロールを下げておく必要があります。

 

上に挙げたような病気になったことがない方は、性別・年齢・喫煙状況・収縮期血圧などから点数をつけ、LDLコレステロールの目標値を決めています。

 

脂質異常症の治療

◆生活習慣改善

まずは食事療法(食生活を見直すこと)になります。

基本的には、1日3食規則正しくご飯を食べて、間食や夜食を減らし、1回の食事の量を腹8分目にすることなどが重要です。中性脂肪が高い方は糖質を多く含んでいる食べ物やお酒の飲み過ぎには注意が必要です。悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高い方は卵黄やお菓子、脂肪の多いお肉、バターやチーズなどの乳脂肪分に注意が必要です。

このような食事療法を行った上で、体重が増えすぎないようにし、運動を定期的に行ったり、タバコをやめるなどの生活改善を行ってください。

 

◆薬物療法

生活習慣の改善を一生懸命行っても、なかなか期待した通りに血液検査の値が良くならないこともあります。そういった場合には、必要に応じて脂質を下げるお薬を使うことになります。お薬にはコレステロールを下げる薬、中性脂肪を下げる薬があり、その中でも様々なタイプがありますので、患者様の病態に合わせてお薬を選択する必要があります。

 

最後に

脂質異常症は当院でも特に力を入れて治療をしている病気ですので、お気軽にご相談ください。

 

 玉寄クリニック副院長 

 聖路加国際病院 内分泌代謝科 玉寄皓大

 

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