糖尿病Q&A
患者様からよく質問を受ける内容についてまとめてみました。随時更新して行く予定です。皆様の御参考にして頂けると幸いです。また、ここに挙げたもの以外のことでも、糖尿病に関してご不明な点や興味があることがございましたら些細なことでも構いませんので、当院にご相談ください。
糖尿病内科 医師 玉寄皓大
Q).糖尿病とはどんな病気ですか?
A). 様々な原因で、膵臓から作られるインスリンと言う血糖を下げるホルモンに異常をきたします。その結果、常に血糖が高い状態になり、放置すると、様々な合併症を引き起こす病気です。
Q).HbA1c(ヘモグロビン エーワンシー)とは?
A).HbA1は過去1〜2ヶ月の血糖の平均を表すものです。
Q).糖尿病の診断はどうやってするんですか?
A). 一般的には血液検査で、空腹時血糖値が126mg/dl以上かつヘモグロビンA1cが6.5%以上か、食事をするしないに関わらず血糖値が200mg/dl以上であれば糖尿病の診断です。また、ヘモグロビンA1cが5.8%以上6.5%未満の方は「糖尿病の可能性を否定できない人」であり専門医による検査が必要となりますので、当院までご相談ください。
Q).糖尿病にならないようにするには?
A). 一概には言えませんが、基本的には、「バランスの良い食事をし、夜食や間食はせず、アルコールはほどほどに。運動を適宜行い、適正な体重をキープして、禁煙または節煙する」こととなります。食事に関してはカロリーが多すぎにならないようにする、脂肪をとりすぎず食物線維をしっかりとる、規則正しい食生活を守る、多くの品目をバランスよく食べる、などが大切です。
Q).糖尿病は遺伝と聞いたのですが?
A). 糖尿病そのものが遺伝するわけではありませんが、たしかに「糖尿病になりやすい体質」については遺伝する場合があります。健診の結果で要注意などの指示が出たら、そのままにせず、ご相談ください。
Q).糖尿病の患者は国内でどれくらいいますか?
A).2016年度の国民健康・栄養調査において「糖尿病が疑われる人」は約 1000万人、「糖尿病の可能性が否定できない人」は約 1000万人と推定されています。
Q).タバコは糖尿病と関係するんですか?
A). たばこと肺癌の関係については有名ですが、糖尿病とたばこの関係は意外と知られていません。たばこに含まれるニコチンは血管収縮を起こし、血液中の糖が肝臓や末梢組織に運ばれて処理されるのを妨げます。また慢性的に交感神経系を興奮させ、血糖上昇作用のあるアドレナリン、副腎皮質ステロイド等のホルモンを放出させるとともに、血糖を下げる働きのインスリンの作用を妨げます。そのため、常習喫煙者では、治療をしていても血糖コントロールが不良との報告もあります。また、たばこは極めて強力な動脈硬化を促進する嗜好品ですので、糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症、腎症、神経障害や歯周病、足の壊そなどの進行も助長してしまいます。糖尿病になる前に、禁煙できるのが一番ですが、糖尿病の方で、今まだたばこを吸われている場合には、合併症が進行する前に、是非とも禁煙しましょう。当院は禁煙外来も行っておりますので、禁煙を決意された方は是非ご利用ください。
Q).健診で血糖値は正常なのに糖尿病の気があると言われました。どうしてですか?
A). 通常健診で採血を行う場合は、朝ごはんは食べない状態で行う(空腹時)ことが多いと思います。いわゆる糖尿病予備軍の方は、空腹時血糖は健常の人とさほど変わらないのですが、食後のみ血糖値が上昇します。もちろん健常人でも食事をすれば血糖は上昇しますが、せいぜい140mg/dl止まりで、糖尿病予備軍や軽い糖尿病の人では180~200mg/dl位まで上昇していることが多いです。そこで血糖値の約2ヶ月の平均値として用いられるHbA1cを診ることによって予備軍かどうかを判定します。たとえ空腹時血糖が低くても、HbA1cが高値(5.5%以上)なら、平均血糖値が高い、つまり食後に高血糖となっている可能性が高いことがわかり、「糖尿病の気がありますね」と言われることになります。
Q).糖尿病で定期的に受けた方が良い検査を教えて下さい
A).糖尿病の状態をきちんと把握するために採血でHbA1c、血糖値を調べるのは勿論のこと、糖尿病の合併症の評価も重要となります。糖尿病の合併症には、目(網膜症)、腎臓(糖尿病性腎症)、神経の三大合併症の他に、動脈硬化などがあります。腎機能を見るために「尿検査」を、また動脈硬化の進行を評価するための「CAVI/ABI検査(血管年齢を調べる検査)」を、そして糖尿病がある方は脂肪肝の合併も多く定期的な腹部エコー検査もお勧めいたします。当院には眼科は併設しておりませんので、眼に関しては近隣の眼科医院と連携して診ていきますが、それ以外の検査については全て当院で行うことが可能です。またこれらの検査結果について、糖尿病専門の医師がフォローし、適切に治療やアドバイスを行っていきます。