膀胱炎
膀胱炎は内科?泌尿器科?
膀胱炎はおしっこを溜める場所である膀胱にバイキンが入って、炎症を起こす病気です。膀胱炎は泌尿器科だけでなく、内科においても検査と治療を行っているのが一般的です。ここでは、内科から診た膀胱炎について詳しくご説明致します。
膀胱炎とは
膀胱炎は女性に多い病気です。
女性は男性に比べて尿道が短く、バイキンが膀胱に入りやすいことが原因と言われています。年齢に関わらずかかりますが、若い方に多いです。通常はバイキンが膀胱に入ってきても膀胱の感染防御機能で膀胱炎にはならないですが、ストレス、疲れ、冷え性、トイレを我慢した、性行為などの要因が重なると膀胱炎になります。
膀胱炎の症状
◆何回もおしっこに行きたくなる(頻尿)
◆おしっこが近い感じがある(切迫感)
◆おしっこをするときに痛い(排尿時痛)
◆おしっこをした後も残っている感じがある(残尿感)
◆おしっこが出にくい(排尿困難)
◆おしっこに血が混じる(血尿)
◆御高齢の方だと、お腹の下の方の違和感や痛み、おしっこをしたときの違和感など、症状が軽めなこともあります。
膀胱炎の検査・診断
◆問診
◆尿検査
クリニックではまず初めに生活状況や症状を問診にてお伺いし、その後で尿検査を行います。尿検査にて、おしっこの中の白血球(炎症が起きている証となります)が増えていれば膀胱炎と診断します。尿検査の結果は数分で出ます。
膀胱炎の治療
①生活指導
水分を充分にとり、おしっこの量を増やすことで膀胱の中にいるバイキンを身体の外に出してしまうことです。また、膀胱の中にバイキンを繁殖させないようにトイレは我慢しないようにしましょう。
②お薬
膀胱炎の多くはバイキン(細菌)感染なので、バイキンを退治する抗生物質・抗菌薬が用いられるのが最も一般的です。
膀胱炎で泌尿器科や婦人科受診が必要なケース
腎臓や膀胱は基本的には泌尿器科の専門領域ですが、「膀胱炎」に関しては上でお話しした通り、問診・症状・尿検査で診断し、抗生物質で治療を行うことで診断・治療に至るまで内科にて対応が可能です。
ただし、尿道カテーテルを使用している場合や、膀胱や尿道にもともと病気をお持ちの方、婦人科疾患をお持ちの方、性病の既往があったり、また現在性病にかかっていてそれによって膀胱炎が引き起こされていることが疑われるケースでは、原因を正しく判断するためにまず内科で膀胱炎の検査を行い、その後必要であれば泌尿器科や婦人科へ受診して頂くことがあります。
最後に
当院ではこのように膀胱炎の検査、診断、治療を行っております。膀胱炎は放置しているとバイキンが膀胱より上の臓器である腎臓にまで広がっていき、"腎盂腎炎"という重症化してしまうこともあるため、気になる症状がある方はお早めに受診していただく事をお勧めします。
文責:
玉寄クリニック
副院長(内科専門医) 玉寄 皓大