【新しいオゼンピック2mgとこれまでのオゼンピックSDとの違いについて】
オゼンピックとは
オゼンピックは糖尿病の治療薬で1週間に1回の注射製剤です。血糖値を改善するだけでなく、食欲を抑える効果や体重を減らす効果もあり、日本国内においても糖尿病治療の重要な柱とされ、広く使われています。
これまで日本国内で使用されていた「オゼンピック皮下注SD」を取り扱う製薬会社であるノボノルディスクファーマ社は、その製造の一部をヨーロッパの会社に委託していました。
そのヨーロッパの会社が2021年12月に製造・輸出を停止したことにより、オゼンピック自体が国内で出荷停止となり、近隣の薬局でも取り扱いが少なくなっていました。
新しいデバイスのものが販売開始に
その「オゼンピック」ですが、同じくノボノルディスクファーマ社から新たに注射器の形(デバイス)を変更し「オゼンピック2mg」として販売されました。
(写真:オゼンピック2mg)
これまでのオゼンピックとの違い
新しく発売された「オゼンピック2mg」は、お薬の成分は同じですが、注射器の形が今までの「オゼンピックSD」と違うため、多少異なる点があります。
(写真左:オゼンピック2mg、右:オゼンピックSD)
①使い捨てかどうか
これまでの「オゼンピックSD」は1本使い切りのタイプでしたが、新しく発売された「オゼンピック2mg」は1本で数回分の注射ができるようになりました。
1本につき2mg入っているため、
・0.25mg/週で注射→1本で8週間分
・0.5mg/週で注射→1本で4週間分
・1.0mg/週で注射→1本で2週間分
となります。
②針の装着の必要
以前の「オゼンピックSD」には針がすでについていました。しかし針が太く、痛みが強いことが欠点と言われていました。今回新たに販売された「オゼンピック2mg」には針がついておらず、インスリンのように打つ毎にご自身で針を付け替えて頂く必要があります。しかし付ける針はこれまでの針よりも細い針となるため、注射する際の痛みは格段に減ります。
③保管の仕方
以前の「オゼンピックSDペン」は使用前までは冷蔵庫保管、新しい「オゼンピック2mg」は未開封の時点では冷蔵庫、開封後は室温可(開封後8週間までが期限)となっています。
④空打ちの必要
これまでの「オゼンピックSD」は使い切りタイプで打つ前の空打ちは不要でした。新しい「オゼンピック2mg」ではそのペンを使う1回目の時だけ空打ちが必要となります。2回目以降は不要になります。
以上が、主な違いとなります。
今後は新しい「オゼンピック2mg」が主流となっていくことが予想されます。これまでのオゼンピックを使っていらした方にとっては最初慣れないこともあるかもしれません。わからない点などは主治医や看護師さんなどにご相談することをお勧め致します。
東京都中央区日本橋人形町1-12-11
玉寄クリニック副院長
聖路加国際病院 内分泌・代謝科
玉寄 皓大