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【内科専門医が解説】健診で異常を指摘されたら読んで頂きたいこと【後悔しないために】

[2024.04.18]

健康診断の結果を放置していませんか

健康を維持するためには定期的に健康診断を受け、現在のからだの状態を確認することが重要です。しかし、健診を受けても実際は以下のような状態になっていらっしゃる方も多いのでないでしょうか。

  • 毎年健康診断を受けているが、結果を確認せずにいる
  • 健康診断の結果は確認したが、確認しただけになっている
  • 要検査項目があるのにも関わらず、二次検査を受けていない
  • 要治療項目があるのにも関わらず、医療機関を受診していない

今回は皆さんが健診で異常を指摘された場合の対応について内科専門医の視点から解説していきます。

健診結果の判定の見方・解釈

健康診断の結果は、基準値(基準範囲)を踏まえて何段階かに分けたアルファベットで示されます。区分は施設によって多少異なりますが、ここでは日本人間ドック学会の判定区分を例に挙げます。

 

日本人間ドック協会の判定区分

A:異常なし

B:軽度異常

C:要再検査・生活改善

D:要精密検査・要治療

E:治療中

 

判定区分の詳細

Aは文字通り「異常なし」、Bは「基準値を少し越えていますが再検査などの必要はない状態」という意味になります。

 

大事なのは特にCとDです。

 

Cは"再検査が必要な状態"です。施設によっては「C12:年1回の健診で経過観察」「C3:3ヶ月後に再検査」と再検査の時期についてもさらに細かく区分していることもありますが、いずれにしても再度検査を受ける必要がある、ということです。

 

Dはより詳しい検査が必要とされる、あるいは治療が必要な状態です「要治療」と記載された場合は明らかに治療が必要なレベルの判定です。Eは現在治療を受けている項目について記されています。引き続き治療を続けてください。

 

健診で引っかかって怖いと思う方へ

健康診断の結果に「再検査」や「精密検査」という言葉が書いてあると、どんな人でも不安な気持ちになります。しかし実際健康診断で「再検査」や「精密検査」が必要と記載されることは、珍しいことではありません。厚生労働省の「定期健康診断結果報告」によると、定期健康診断で異常の所見があった人の割合は、2020年では58.5%と言われていますつまり2人に1人以上の確率で何かしらの異常を指摘されるものなのです

 

健診で引っかかりやすい項目

また、異常を指摘された人が多い項目の1位は「血中脂質」で、定期健康診断を受けた人のうち3人に1人が異常ありと指摘されています。2位は「血圧」、3位は「肝機能」となっており、生活習慣病に関連する項目が多いことがわかります。

 

再検査と精密検査の違い

さて、判定結果のところで異常があったときに推奨される検査に「再検査」と「精密検査」と2種類の単語が使われていたことに気づかれたでしょうか。実はこの2つは意味が異なります。

 

  • 再検査→健康診断で行った検査と"同じ"検査を行い、異常な数値が一時的なものか、不変的なものか判断する。

 

  • 精密検査→健康診断で行った検査よりも、さらに踏み込んだ検査を行い、異常値の原因が何の病気か、また治療が必要な段階か確認する。

 

「再検査」では、健康診断の時だけたまたま異常値が出ただけなのか、本当に病気があって異常値が出たのかを確認するために行います。例えば、食事制限があるのにうっかり朝ご飯を食べてしまったり、前夜に暴飲暴食をして検査を受けてしまった場合などが挙げられます。そのような場合は、空腹の状態で同じ採血を行い(=再検査)し、それでも数値が異常であれば、本当に異常であると考えられるのです。

 

一方、「精密検査」は健康診断の結果から身体になんらかの異常があると判断し、異常の原因を特定するために行われるさらに踏み込んだ検査です。例えば、健診の胸部レントゲン検査で肺に影を指摘された場合、何らかの異常があると考えられますが、なぜ影が写ったのか、影の部分に何があるのかは精密検査をしないとわかりません。具体的には健康診断と同じレントゲン検査を再度行う(=再検査)のではなく、一歩踏み込んだCT検査(=精密検査)をするということになります。

 

再検査、精密検査はどこでやるべき?

健康診断の結果、二次検査(再検査・精密検査)が必要とされた場合の受診先のパターンは大きく分けると3つです。

 

①かかりつけ医

最もお勧めです。かかりつけ医がいれば、まず健康診断の結果を持っていき、相談しましょう。かかりつけ医で二次検査まで対応可能なことも多いですし、対応困難な場合は適切な医療機関を紹介してくれることでしょう。

 

②健康診断を受けた医療機関

健康診断を受けたところと同じ医療機関で受診する場合は、既に医療機関側が受診者の情報を持っているため、検査はスムーズに進みます。紹介状も不要です。

 

③大学病院・総合病院

大学病院や総合病院の多くは、精密医療機器を有し、大抵の二次検査は対応可能です。ただし、受診するには紹介状が必要です。

 

健診は「受けた後」が一番重要です

健康診断は実は「受けた後」の行動が一番重要です。「病気が見つかることが怖い」、「忙しくて時間がない」など、二次検査に足が向かない理由は人それぞれと思います。結果を放置せず、「生活習慣を改善する」・「再検査や精密検査を受けにいく」など、自分の健康な将来を決めるのは、健診後の行動にかかっています。自分のため、大切な家族のため、これからの健康な日々のために、受けっぱなしの健診で終わらせてしまうことだけは避けましょう。

 

最後に

当院でも個人様の健康診断や、企業様の健康診断、区民健診など各種健康診断には特に力を入れております。健診結果の二次検査の相談も可能です。できる限り分かり易い言葉で病気や治療について丁寧な説明ができるように努めています。このページが少しでも皆様のお役に立つことができれば幸いです。

 

東京都中央区日本橋

人形町駅、水天宮前駅徒歩1分

玉寄クリニック

内科専門医(副院長)  玉寄 皓大 

 

 

 

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