お正月に太らないために-おせち料理と血糖値の意外な関係-
年末年始の定番"おせち料理"
今年も残すところあとわずかとなりました。皆様は今年のお正月のご予定はお決まりですか?今年は新型コロナウイルス感染症の流行のため、外出を自粛し例年以上に自宅でゆっくりと過ごされる方が多いのではないでしょうか。
さて、お正月といえば「おせち料理」ですよね。
今回は糖尿病治療の観点から、おせち料理の食べ方や注意点についてご説明致します。
おせち料理は、一見すると和食でヘルシーなように見えるのですが、実は、おせち料理は日持ちさせるために味付けが濃く、砂糖・塩・酢・ミリンなどが多く使われています。そのためカロリーが高く、食事をしたあとに血糖がかなり上がってしまうことがあります。
美味しく、楽しく、そして血糖コントロールも上手にしながらおせち料理を食べて頂きたいので、まずは食べる順番を工夫してみましょう!
血糖値を上げにくいおせち料理の食べ方
まずはなます、たたきごぼう、れんこんなどの野菜類を最初に食べて、そのあと数の子、昆布巻きなど、そしてそれ以外の食べたい食品を偏らずに満遍なく食べ、最後に栗きんとんや黒豆など甘いものを食べるとよいです(最初に食物繊維、酢の物を食べてからの方が血糖値の上がりが抑えられます)。
おせち料理のカロリーと塩分目安
またおせち料理の代表的なメニューのカロリーや塩分は大体以下のようになっています。
●伊達巻き(2cm) 約60kcal 塩分0.8g
●数の子(2切れ) 約20kcal 塩分0.7g
●紅白かまぼこ(2切れ) 約40kcal 塩分0.9g
●昆布巻き(1個) 約60kcal 塩分0.8g
●田作り(10g) 約30kcal 塩分0.2g
●海老の旨煮(2尾)約90kcal 塩分0.9g
●紅白なます(一盛)約33kcal 塩分0.4g
●栗きんとん(2粒)約170kcal 塩分0.05g
→ほぼお餅2個分のカロリー!
●黒豆(5粒)約60kcal 塩分0.2g
カロリーだけでなく、塩分が多いのもおせち料理の特徴になります。高血圧や心不全をお持ちの方で主治医の先生から塩分制限が必要と言われていらっしゃる方は塩分にも是非注意してみてください。
お雑煮・お餅について
続いては、お雑煮とお餅についてです。
お餅は1個(50g)でご飯80g(お茶碗半膳分)のカロリーと言われています。お餅を食べる際は、おせち料理にお砂糖が多く使われているので、あんこ餅やきな粉餅ではなく、野菜をたっぷり使ったお雑煮として一緒に食べる方が望ましいです。
最後に
このようなコツを踏まえて工夫して頂きながら、楽しく健康的にお正月を過ごして、新年の良いスタートを切るようにしましょう!