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【更年期・アンチエイジングの救世主】プラセンタ療法について【内分泌代謝専門医が詳しく解説】

[2024.08.17]

まず初めに

プラセンタ療法は、更年期障害をはじめとした疾患や美白・疲労改善など様々な効果が期待される治療です。ここでは、プラセンタが一体どのようなもので、どんな効果があるのかなど、ホルモンの専門科である内分泌代謝専門医が詳しく解説いたします。

 

 

プラセンタとは

プラセンタとは赤ちゃんとお母さんとをつなぐ「胎盤」から抽出された成分のことを指します。胎盤には、生命を誕生させるために必要な栄養素が豊富に含まれています。プラセンタ注射とは、"ヒト"の胎盤から抽出されるもので、医療機関でのみ受けられる注射です。

 

プラセンタの主な成分

プラセンタにはタンパク質・脂質・糖質などの三大栄養素のみならず、身体の働きを整えるビタミン・ミネラル・核酸・酵素といった生理活性成分、細胞の新陳代謝を促す成長因子などの栄養素を豊富に含んでいます。これだけたくさんの種類の栄養を一気に摂ることは他の手段では極めて困難であり、プラセンタの栄養価の高さがわかります。

アミノ酸

ロイシン、リジン、バリン、スレオニン、イソロイシン、グリシン、アラニン、アルギニンなど

ビタミン

ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシンなど

ミネラル

カルシウム、ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄など

タンパク質

アルブミン、グロブリンなど

脂質

コレステロール、ホスファチジン酸、ラウリン酸、バルミチン酸など

糖質

グルコース、ガラクトース酸、ショ糖など

酵素

アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ヒアルロニターゼ、アデノシン三リン酸など

核酸

DNA、RNA、代謝産物など

 

医療用とその他の違い

プラセンタは市販でも錠剤や美容液等に使われています。市販されている錠剤や美容液で用いられているプラセンタはウマやブタなど動物の胎盤から生成されています。それに対して医療用のプラセンタはヒトの胎盤から生成されたものになります。また、錠剤など経口摂取したプラセンタは胃や腸で消化・分解の影響を受けるため、実際に効能を発揮できる量は、摂取量よりかなり少なくなってしまうのが難点です。ヒト由来のプラセンタは注射で投与するために消化の影響を受けず、極めて強い効果が期待できるため医療用医薬品として定められており、医療機関でしか取り扱うことができないという違いがあります。

 

医療用プラセンタの種類

医療用プラセンタ注射には、「ラエンネック」と「メルスモン」の2種類があります。いずれも日本国内の産婦人科で健康な母親から正常分娩で生まれた胎盤を使用して作られたもので、厚生労働省から医薬品として認可を受けています。当院ではラエンネック、メルスモンのどちらも採用しています(違いについては後述します)。


 

プラセンタの効果

プラセンタは50年以上の歴史があり、トラブルがほとんどない安全性の高い注射薬です。プラセンタ注射では、以下の効果が期待できます。 

更年期障害の症状改善

女性だけでなく男性も症状を改善します

免疫賦活作用

病気に対する抵抗力を高めます

活性酸素除去作用

活性酸素を除去し、老化を防ぎます

(=アンチエイジング)

強肝・解毒作用

肝臓の働きを強化します

アレルギー作用

アレルギーを抑えます

疲労回復作用

疲労の回復を促します

美肌促進作用

シミ、シワ、ニキビを抑え、美白を促します

 

当院では更年期障害(女性だけでなく男性も)や美容目的でたくさんの方々にプラセンタ注射を行なっておりますが、患者様たちに「どんな効果を一番実感しているか」をご質問してみると、「肌にハリが出る」「疲れにくくなる」とおっしゃられる声が多いと実感しています。

 

ラエンネックとメルスモンの違い

  ラエンネック メルスモン
製法 分子分画法 加水分解法
胎盤エキス量 112mg/2ml 100mg/2ml
添加物 ペプシン、乳糖 ベンジルアルコール
注射時の痛み やや痛い 弱い
製法

ラエンネックは「分子分画法」で製造されています。必要な成分だけをフィルターを使って抽出しています。メルスモンは「加水分解法」という製法で作られています。プラセンタの細胞膜を強酸で分解し、エキスを抽出する方法です。

胎盤エキス量

1アンプル(2ml)あたりの胎盤含有量は、ラエンネックのほうがメルスモンよりも10%ほど多くなっています。

添加物

ラエンネックとメルスモンでは添加物が異なります。体質的にこれらの添加物にアレルギー反応を起こす方が稀にいらっしゃいますので、痒みや発疹などアレルギー症状が出現した場合は薬剤を変えるなど対策を行います。

痛み

ラエンネックのほうがメルスモンよりも酸性度が高く、注射時の痛みが強いという報告があります。またメルスモンはベンジルアルコールという痛み止めの成分が添加物として含まれているため、注射時の痛みが少ないです。

効果

疲れに効くのはラエンネック、美容に効くのはメルスモンという情報も目にしますが、長年プラセンタの治療を行ってきました経験から、両者の効果に大きな違いはありません。

保険適応かどうか

女性の更年期障害への治療には「メルスモン」のみが保険適応となっております。自費診療でプラセンタ注射をご希望の方は、メルスモン・ラエンネックどちらでもお選びいただけます。

 

保険適応について

45歳-59歳の更年期障害を患っている女性は、更年期障害の治療として週3回まで(※1回1アンプル)保険適用で注射を打つことができます。

<保険診療での費用(メルスモン)>
⚫︎初回のみ1,500円程度

⚫︎2回目以降は1回の受診につき500円程度

 

費用(自費診療)について

⚫︎1アンプル 1,100円(税込)

(※ラエンネック、メルスモン共に)

 

注射の頻度

プラセンタは定期的に打つことをお勧めします。最初の1ヶ月は週に2-3回その後は週に1-2回くらいを目処にご来院ください。今までプラセンタ注射を受けたことはあっても、あまり効果を感じなかったという方は、注射の頻度や量、期間が足りていないことがほとんどです。

 

注意事項

医療用プラセンタ注射はヒトの胎盤から抽出された成分を注射しているため人間との親和性が高く、リスクが少ないことが特徴です。副作用としては、注射による投与のため一般的な注射と同じような痛みが挙げられます。また、注意点としては、プラセンタ治療を受けたことがある方は献血ができなくなりますのでそこだけご注意ください。

 

最後に

プラセンタはアンチエイジングや疲労回復だけでなく、女性更年期障害の治療薬としても非常に有効です。また、近年は男性更年期障害にも効果があると言われ注目を集めています。プラセンタ注射は、1回の投与ですぐに効果を実感できるわけではありません。ホルモンバランスは、徐々に整えるものなので、継続して定期的に注射し、正常な働きに戻すことが大切です。当院は東京都中央区の人形町駅、水天宮前駅からそれぞれ徒歩5分以内にございます。プラセンタ注射をご希望の方は、是非ご来院ください。

 

 

 

プラセンタのよくあるQ&A

Q1.プラセンタはどのくらいの頻度で打てばいいですか?

A1. 1回の注射で効果を実感される人もいれば、2-3回打たないと効果を実感されない人もいます。個人差はありますが、これまでに沢山の患者様にプラセンタ療法を行ってきました経験から言うと、最初は1週間に2-3回の頻度で一度に2-4アンプルを注射するのが良いと考えております。症状が改善してきたら、徐々に頻度を落として維持できる量(週に1-2回)で長期間続けることをお勧めしています。安全性が非常に高い製剤ですので、副作用がない方は、年-数十年単位で注射しても問題ありません。頻度については適宜医師にご相談いただければアドバイスいたします。

 

Q2.プラセンタのデメリットはありますか?

A2.唯一あげるとすれば、献血が出来なくなることです。

 

Q3.プラセンタと相互作用がある薬はありますか?

A3. プラセンタと相互作用がある薬剤はありません。持病で他の薬剤を服用している場合や、他の注射を受けている場合でも、問題なく受けることができます。

 

Q4.男性更年期にも効きますか?

A4. 効果があります。男性更年期障害に対して効果が期待されているプラセンタ注射を2週間に1回程度のペースで受けることを推奨しております。女性の更年期障害には保険適応となりますが、残念ながら現時点では男性更年期障害には保険適応外となりますので、自費診療となります。

 

Q5. プラセンタで待ち時間はありますか?

A5. お電話であらかじめご予約いただければ、複数おります当院看護師が注射いたしますので、待ち時間はほとんどありません。ご予約がない場合でも、2回目以降の方はご来院次第すぐに注射いたします。診察終了時刻の10分前にはご来院をお願いします。

 

 

東京都中央区日本橋人形町
人形町駅徒歩1分、水天宮前駅徒歩1分
玉寄クリニック
 
(文責:当院副院長/内分泌代謝内科専門医/聖路加国際病院非常勤医:  玉寄皓大)

 

 

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