食後に眠くなる、イライラする…それ、低血糖かも?【糖尿病専門医が解説!】
はじめに:「食後の不調」、気のせいじゃないかも?
「昼食後に急に眠くなる」、「夕方になると集中力が落ちる」、「理由もなくイライラする」——こんな経験はありませんか?
「ただの疲れ」「仕事や勉強のストレス」と思いがちですが、実は「反応性低血糖」が原因かもしれません。
「低血糖って、糖尿病の人だけの問題では?」と思うかもしれませんが、健康な方でも低血糖になることは勿論あります! 特に、食事内容や食べ方によっては、誰にでも起こりうる話です。
実は私自身も、当院の「血糖モニタリング外来」を実際に試すために「リブレ」という血糖測定器を装着してみたところ、食後に血糖値が乱高下し、夕方に低血糖になっていたことが判明しました。
この記事では、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医として「糖尿病じゃない人にも起こる低血糖」についてわかりやすく解説します。「食後に空腹感や頭痛、倦怠感があった」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください!
私の体験談:「食後の血糖値の乱高下で、夕方に低血糖」
私は、当院の「血糖モニタリング外来」を実際に試すため、「リブレ」という血糖測定器を装着しました。
リブレとは?
リブレは、腕に小さなセンサーを貼り付けるだけで、24時間の血糖値の変動を自動で測定できる装置です。従来の指先に針を刺す血糖測定とは違い、リアルタイムで血糖値の推移を記録できるのが特徴です。
このリブレをつけたことで、自分の血糖値がどのように変動しているのかが一目瞭然になりました。
すると、日によって昼食後の血糖値が急激に上昇し、その数時間後に急降下していることが発覚。特に夕方の時間帯に、血糖値が70mg/dL以下に下がる「反応性低血糖」が起こっていました。
その時間帯、私は「空腹感」「頭痛がする」「なんとなく疲れたような気がする」と感じていました。これまでは「単なる疲れ」と思っていました。でも実際には血糖値の急変動が原因だったのです。
反応性低血糖とは?— 糖尿病じゃなくても起こる低血糖
反応性低血糖とは?
反応性低血糖とは、食後に血糖値が急激に上がった後、インスリンが過剰に分泌され、血糖値が急降下する状態です。通常、食事をすると血糖値が上がり、それに合わせて「インスリン」というホルモンが分泌されます。しかし、糖質が多い食事をすると、インスリンが過剰に分泌されやすくなり、血糖値が必要以上に下がってしまうのです。
低血糖は糖尿病じゃない人にも起こる!
「低血糖=糖尿病の人だけのもの」と思われがちですが、実はそうではありません。糖尿病でない人でも、血糖値が急激に上がると、その反動で低血糖になることがあります。 特に、糖質を多く摂る人、甘いものが好きな人、朝食を抜きがちな人は注意が必要です。
反応性低血糖の症状:こんなこと、ありませんか?
反応性低血糖の主な症状
- 食後の強い眠気
- 夕方になると集中力が続かない
- 理由もなくイライラする
- 動悸や冷や汗が出る
- めまいやふらつきがある
- 急に強い空腹感を感じる
これらの症状がある場合は、一度「血糖値の変動」を疑ってみるとよいでしょう。
反応性低血糖を防ぐためにできること
反応性低血糖に「治療法」はない
まず、反応性低血糖には特効薬のような治療法はありません。病院で「薬をもらえば治る」というものではなく、基本的には生活習慣の見直しが唯一の対策です。ただし、血糖値の変動が大きい人ほど、体調や気分の波が生じやすくなります。そのため、「食後に不調を感じる」場合は、まず血糖値の変動パターンを知り、食事の工夫をすることが重要です。
食事の工夫がカギ!
血糖値の急変動を防ぐためには、「血糖値が急上昇しにくい食事」を心がけることが大切です。
反応性低血糖を防ぐ食事のポイント
- 糖質だけの食事を避ける(白米・パン・麺類だけにならないようにする)
- たんぱく質や脂質をしっかりとる(肉・魚・卵・ナッツなど)
- 食物繊維をとる(野菜・海藻・豆類などを意識する)
- 血糖値が急上昇しやすい食品(砂糖・ジュース・菓子パン)を控える
私自身も、この方法を実践したところ、「夕方の空腹感や倦怠感」がかなり改善しました。
食後の不調を感じたら、血糖モニタリングを!
当院では、「リブレ」を使った血糖モニタリング外来を行っています。センサーをつけるだけで24時間の血糖変動を可視化できるため、低血糖の有無や、食事・生活習慣が血糖値にどう影響しているかを確認できます。
「自分の血糖値が気になる方」「食後の不調を感じる方」は、ぜひ当院の血糖モニタリング外来へご相談ください!
▶当院の 「血糖モニタリング外来」について。
まとめ
- 食後に眠くなる、集中力が続かない、イライラするのは「反応性低血糖」が原因の可能性がある
- 糖尿病でなくても低血糖になることがある!
- 血糖値が急激に上がる食事をすると、その反動で低血糖になりやすい
- 治療法はないが、食事の工夫で血糖値の変動を防げる
- リブレを使った血糖モニタリングで、自分の血糖値を知ることが改善の第一歩!
東京都中央区日本橋人形町
玉寄クリニック
副院長・日本糖尿病学会認定糖尿病専門医
玉寄皓大