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針を刺さずに血糖値が測れる理由!リブレの仕組みについて【糖尿病専門医が解説!】

[2025.03.03]

血糖は採血なしでも測定できる?

「血糖値を測るには、指に針を刺して血を採らないといけない」

 

そう思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?実は、近年の糖尿病治療の進歩により、針を刺さずに血糖値を測定できる機器が登場しています。

 

それが 今回ご紹介する「FreeStyleリブレ(フリースタイル リブレ)/以下の写真」 です。この「リブレ」は腕に貼り付けたセンサーにスマホやリーダーをかざすだけで血糖値を24時間測定・記録することができます

 

 

糖尿病専門外来を行っている当院(東京都中央区日本橋人形町/玉寄クリニック)でも、インスリン注射を使用している糖尿病患者さんには保険診療でこのリブレをたくさん活用しています。また、糖尿病でない方でも血糖スパイクや低血糖が気になる方などのためにリブレを用いた自費診療での 血糖モニタリング外来 をご提供しています。

 

本記事では、

  • なぜリブレは血を採らなくても血糖値が測れるのか?
  • 指先の血糖測定器と何が違うのか?
  • リブレを上手に活用するコツとは?

 

について日本糖尿病学会認定糖尿病専門医がわかりやすく解説いたします。

 

リブレは「血糖」ではなく「間質液の糖」を測っている

実は、リブレが測定しているのは血液中の糖ではありません。皮膚の下にある「間質液(かんしつえき)」という液体の糖を測り、そこから血糖値を推定する仕組みになっています。

 

「間質液」とは?

間質液とは、細胞と細胞の間を流れている透明な液体で、血液から送られた酸素や栄養(ブドウ糖など)を含んでいます。

つまり、間質液の糖の濃度は血液の糖とほぼ同じなのですこの原理を利用して、リブレは血を採らずに血糖値を推定しています。

 

リブレの測定の仕組み

では、実際にリブレはどのように間質液の糖を測っている のでしょうか?

 

【リブレの測定の流れ】

  1. 極細のフィラメント(細い針)が皮膚の下に入る
  2. フィラメントが間質液の糖をキャッチする
  3. フィラメントの表面にある「酵素」が糖と反応する
  4. この反応で微弱な電流が発生
  5. 電流の強さを測定し、血糖値を計算する

 

この測定方法を 「酵素電極法」 といいます。

 

普通の血糖測定器との違い

指先に針を刺して測る血糖測定器とどう違うの?

この疑問に答えるために、比較表を作成しました。

  リブレ 指先の血糖測定器
測定対象 間質液の糖 血液中の糖
測定方法 皮膚の上からセンサーをかざす 指に針を刺して採血
痛み 無し 針を刺す痛み
リアルタイム測定 できる(24時間持続測定) できない(測定した時のみ)
タイムラグ あり(5-10分遅れることがある) なし

 

✔︎ リブレは「血糖の変動パターン」を常にチェックできるのがメリット!

✔︎ 一方、指先採血は「今、この瞬間の血糖値」を正確に測れるのが強み!

 

リブレの精度はどれくらい?

リブレの測定値は指先採血と比較すると少し誤差が大きいことが知られています。精度の指標「MARD(平均絶対相対誤差)」は以下のように言われています。

  • リブレのMARD:約9〜12%
  • 指先の血糖測定器のMARD:約5〜7%

 

つまり、リブレは血糖測定器に比べて誤差がやや大きいものの、十分実用的な精度を持っているということです。

 

リブレを正しく使うポイント

リブレの測定値をより正確に活用するため に、以下のポイントを意識することが大切です。

 

✔︎ 食事や運動の直後の測定値は参考値として考える

✔︎ センサーを正しく装着し、剥がれないように注意する

✔︎ 測定値の推移をチェックし、トレンドを意識する

 

特に「食事の直後」や「激しい運動の後」 には、リブレの測定値が実際の血糖値とズレることがあるので注意が必要です。

 

まとめ|リブレを活用して血糖変動を見える化しよう

リブレは血糖値そのものではなく「間質液の糖」を測定し、そこから血糖値を推定するセンサーです。

 

✔︎ 「間質液の糖(≒血糖)」を測定している

✔︎ 「酵素電極法」を使い血糖値を推定している

✔︎ 測定値には5-10分のタイムラグがある

✔︎ 指先採血よりわずかに誤差はあるが、実用的な精度である

 

「自分の血糖変動を詳しく知りたい!」という方へ

当院では、上で説明した血糖測定器リブレを用いた「血糖モニタリング外来 を行っています。1回腕にセンサーを貼り付けるだけで、14日間24時間あなたの血糖の動きがわかります!

 

✔︎ 自分の食生活が血糖値にどう影響しているのか?

✔︎ 知らないうちに血糖スパイクや低血糖を起こしていないか?

✔︎ 糖尿病予防のために血糖変動を把握したい!

 

血糖値は「健康のバロメーター」です。血糖トレンドを知ることは、あなたの健康管理に必ず役に立ちます。ご希望の方は、ぜひ一度当院の血糖モニタリング外来(自費診療)へご相談ください。

 

 

東京都中央区日本橋人形町

玉寄クリニック

副院長・日本糖尿病学会認定糖尿病専門医

玉寄皓大

 

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