【新型コロナウイルス5類移行に伴う私たちの生活や医療への影響】
2類から5類への移行での変化
2023年5月8日より、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、これまでの「2類」からインフルエンザなどと同じ「5類」に変更となります。それによって国内の医療体制なども大きく変化します。我々の生活や医療がどう変わるのか、変更点などをまとめてみました。
主な変更点まとめ
◆基本的な感染対策について:
検温、アクリル板の設置などの基本的な感染対策が個人や事業者の判断に委ねられる
◆医療機関受診について:
これまで限られた医療機関でのみ受診可能であったのが、幅広い医療機関において受診可能になる
◆外出自粛について:
新型コロナ陽性者及び濃厚接触者の外出自粛は求められなくなる
◆医療費等について:
これまで公費だったものが健康保険が適用され1割から3割自己負担となる
ここでは医療機関に関わるものについて触れていきたいと思います。
発熱した際の医療機関受診について
◆これまで発熱外来を実施していた医療機関だけでなく幅広い医療機関での診察が可能になる予定です。
◆詳しくは東京都が公開している外来対応医療機関のページをご覧ください。
◆「5類に移行後は発熱していても連絡や予約なしで医療機関を受診できる」という内容の報道が一部でされているようですが、現状は大多数の医療機関が発熱の患者さんについては事前に問い合わせや予約をしてから受診する形式をとっています。医療機関を受診する際はホームページや電話でご確認頂いてから受診することをお勧め致します。
感染者の外出自粛について
5類移行後の5月8日からは、新型コロナウイルス感染者に対して、感染症法に基づく外出自粛は求められなくなります。外出を控えるかどうかは、個人の判断に委ねられることとなりますが、判断の参考とするため厚生労働省は以下の目安を示しています。
◆外出を控えることが推奨される期間
・発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことから、発症日を0日目として5日間は外出を控える
・症状が軽快して24時間程度が経過するまでは、外出を控え様子を見ることが推奨されます。
◆新型コロナ陽性となった方へ
◆ご家族が新型コロナにかかった方へ
◆お子様が新型コロナにかかった方へ
濃厚接触者について
・濃厚接触者についても、保健所から新型コロナ患者の「濃厚接触者」として特定されることはありません。
・法律に基づく外出自粛も求められません。
外来医療費
これまでは検査や治療にかかる費用は公費で支援されていたため患者様のご負担はありませんでしたが、5類に移行後は検査、処方についても保険診療(1割から3割の自己負担)に切り替わります。厚生労働省の試算では、コロナと季節性インフルエンザの負担はほぼ同じ程度になる見込みです。医療機関を受診した際に必要な金額がこれまでと変わってきますので注意が必要です。
※なお、新型コロナウイルス感染症の治療薬(ラゲブリオなど)の薬剤費は2023年9月末までは無料(全額が公費支援)と発表されています。
最後に
以上が主な変更点となります。クリニック、病院などの医療機関に関しても上記の変更に伴い、多少の混乱が予想されます。この情報が少しでも皆様のお役に立てますと幸いです。
参考). 新型コロナウイルス感染症の感染症の5類感染症移行後の対応について(厚生労働省)
玉寄クリニック
副院長 玉寄 皓大