シックデイについて
シックデイとは
「シックデイ」とは糖尿病患者様が発熱や吐き気、下痢、などで体調不良になったり、食欲が落ちて食事が出来ない状態のことを言います。
シックデイでは血糖値が乱れます
体調が悪い時は、インスリンが効きにくくなり、 血糖値が上がってしまうことがあります。また、体調が悪く食事が充分にできなかったり、嘔吐したりすることによって低血糖になる可能性もあるため、体調が悪いときの対応、すなわち「シックデイ」の対応をあらかじめ知っておく必要があります。
シックデイの対応
シックデイでは以下のことに注意する必要があります。
①安静、保温、脱水予防
嘔吐や下痢だけでも脱水になりやすくなる上、血糖値が高いとおしっこの量が増えるためさらに脱水になりやすくなります。水分摂取を心がけ、脱水を防ぎましょう。目安としては1000-1500ml程度の水分を摂るようにしましょう。1回100-150ml程度をこまめに摂取することが大切です。
②食事
食欲がなくても絶食(全く食べ物を口にしない状態)は避けるようにしてください。低血糖をきたす恐れがあります。日頃食べ慣れていて口当たりがよく消化のよい食べ物(例えばジュースやスープ、おかゆ、アイスクリームなど)などを摂るようにしましょう。
③糖尿病の飲み薬やインスリンについて
食事が摂れない時の糖尿病のお薬の対応について事前に主治医に確認することをお勧めいたします。以下に記載したのは目安となります。
◆持効型インスリン(グラルギン、トレシーバ、ランタスなど)
そのままの量で継続
◆超速効型インスリン(ヒューマログ、ノボラピッドなど)は食事量に合わせて減量
食事量80-100% 全量投与
食事量50-80% 通常の2/3程度の量を投与
食事量10-50% 通常の1/2〜中止
食事量10%以下 中止
◆ビグアナイド薬(メトホルミン、メトグルコなど)
速やかに中止
◆SGLT2阻害薬(フォシーガ、ジャディアンス、スーグラなど)
速やかに中止
◆SU薬(アマリール、グリミクロンなど)
食事量2/3以上 通常量内服
食事量1/2程度 半分量内服
食事量1/3以下 中止
◆グリニド薬(グルファスト、シュアポストなど)
食事量2/3以上 通常量内服
食事量1/2程度 半分量内服
食事量1/3以下 中止
◆α-グルコシターゼ阻害薬(ベイスン、セイブルなど)
食事摂取出来なければ中止
◆チアゾリジン系薬(アクトスなど)
食事摂取出来なければ中止
◆DPP-4阻害薬(ジャヌビア、トラゼンタ、エクアなど)
食事摂取出来なければ中止
◆GLP-1受容体作動薬(トルリシティ、オゼンピック、ビクトーザなど)
食事摂取出来なければ中止
上記が目安となります。
詳しくはかかりつけの医師の指示に従うようにしてください。
④シックデイのときに病院受診が必要になる場合
以下の場合は医療機関を受診してください。
◆全く水分やお食事がとれない
◆高熱、嘔吐、下痢が続く
◆意識が朦朧としてきたとき
◆血糖値が高い状態が続く(350mg/dl以上)
◆インスリンや内服薬に関する減量や中止の判断に迷う場合
自分で対応することが難しい状況などに備えて、御家族や周りの人にもシックデイの対応を心得ておいてもらうとより安心です。ぜひ御家族や周りの人にもこのページを読んでいただき、シックデイについて知ってもらいましょう。