【糖尿病専門医が解説】マンジャロは保険でいくら?2025年最新の費用まとめ
はじめに
「マンジャロって保険で使えるの?」
「興味はあるけど費用が心配、いくら?」
最近、糖尿病患者さんからこうした質問をよくいただきます。
結論から言うと、
マンジャロは2型糖尿病の治療薬としてのみ保険が適用されます。
- 保険診療では、薬代と診療費を合わせても月5,000-10,000円程度(用量による)です。
- 一方、糖尿病がない方でダイエット目的の使用は保険がきかず、自由診療(自費)で数万円以上かかります。
この記事では、公式薬価に基づいた費用の目安、自費診療との違い、日本糖尿病学会の見解まで、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医がわかりやすく解説いたします。
マンジャロとは?
- 一般名:チルゼパチド
- 投与方法:週1回の自己注射
- 特徴:GLP-1とGIPという2つのホルモン作用を併せ持つ世界初の薬
- 効果:血糖コントロール改善+体重減少効果
保険診療で使える条件
マンジャロを保険で使えるのは、以下のケースに限られます
- 2型糖尿病と診断されていること
- 食事・運動療法だけでは改善が不十分な場合
- 他の糖尿病薬を使っても効果が不十分な場合
この条件を満たして、かつ医師が医学的に必要と判断した場合にのみ、保険で処方できます。
保険診療での費用(3割負担の場合)
薬局での薬代(4週間分)
用量(週1回) |
薬価(4本分) |
自己負担(3割) |
2.5mg |
7,696円 |
約2,309円 |
5mg |
11,536円 |
約3,461円 |
7.5mg |
15,388円 |
約4,617円 |
10mg |
23,088円 |
約6,927円 |
12.5mg |
30,768円 |
約9,231円 |
15mg |
38,456円 |
約11,538円 |
医療機関での費用
- 再診・処方・検査料:約1000-2000円
- 在宅自己注射指導管理料:1,950円/月
- 導入初期加算:1,740円(※初回-3か月間のみ)
合計:
👉 初回-3か月:約5,000円
👉 4か月目以降:約3,000円
(※最初の3か月だけ導入初期加算という費用が病院で発生するため少し高めで、4ヶ月目以降はそれがなくなり一定の費用になります)
合計の目安(薬代+医療費)
用量 |
薬代(3割負担) |
医療費(4か月目以降) |
合計/月 |
2.5mg |
約2,309円 |
約3,000円 |
約5,300円 |
5mg |
約3,461円 |
約3,000円 |
約6,400円 |
7.5mg |
約4,617円 |
約3,000円 |
約7,600円 |
10mg |
約6,927円 |
約3,000円 |
約9,900円 |
12.5mg |
約9,231円 |
約3,000円 |
約12,200円 |
15mg |
約11,538円 |
約3,000円 |
約14,500円 |
マンジャロを長期で使用する場合、4ヶ月目以降は、病院と薬局で発生する費用は上記の表の通りとなります。
自由診療(自費)の場合
糖尿病でない方がダイエット目的で使う場合は、保険は一切ききません。
自由診療の相場は:
- 2.5mg:1か月 約2-3万円前後
- 5mg:1か月 約3-4万円前後
で価格設定しているクリニックが多い印象です。さらに、マンジャロは冷蔵保存必須の薬剤です。
オンライン診療や配送では、
- クール宅急便料金
- 診察料
などが別途かかり、実際の負担はさらに増えることがあります。
👉 保険診療に比べ、自費診療だとは4-6倍以上の負担となるケースが一般的です。
日本糖尿病学会の見解
日本糖尿病学会は2023年4月に「GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する見解」を公表しています。
そこでは、
- 美容や痩身・ダイエット目的での不適切な宣伝・処方は問題である
- 薬剤は承認された適応の範囲でのみ使用すべき
- 不適切な使用は糖尿病専門医への信頼を損なう
と明記されています。
👉 学会は明確に「糖尿病がない方へのダイエット目的の使用は認められない」と警告しています。
よくある質問(Q&A)
Q1. マンジャロは誰でも保険で使えますか?
A. いいえ。マンジャロは2型糖尿病の治療薬であり、糖尿病の診断があり医師が必要と判断した方のみ保険適用されます。
Q2. マンジャロの保険適用の条件は何ですか?
A. 条件は、①2型糖尿病の診断がある、②食事や運動療法で改善が不十分、③他の薬でも効果が乏しい場合を満たし、医師が必要と判断した場合です。
Q3. マンジャロをダイエット目的で保険診療で使えますか?
A. 使えません。糖尿病がない方への使用は保険がきかず、自由診療(自費)なります。また、当院では一切行っていません。
Q4. 自費診療だといくらかかりますか?
A. 相場は、マンジャロ2.5mgで1か月約2-3万円、5mgで約3-4万円です。診察料やクール便代が加わる場合もあり、負担はさらに大きくなります。
Q5. マンジャロの副作用はありますか?
A. 吐き気・下痢・便秘などの消化器症状が報告されています。まれに急性膵炎などの重い副作用もあります。
Q6. マンジャロは保険診療の場合どこで処方してもらえますか?
A. 内科や糖尿病内科で処方可能ですが、糖尿病専門医がいる医療機関での処方をおすすめします。
当院の方針
当院は 中央区日本橋で日本糖尿病学会認定の糖尿病専門医が糖尿病診療を行っています。
- マンジャロは糖尿病の患者さんにのみ、正しく保険診療として処方しています。
- 糖尿病がない方へのダイエット目的の自費診療は一切行っていません。
正しい情報発信と責任ある診療を通じて、安心して治療を受けていただけます。
まとめ
- マンジャロは2型糖尿病の治療薬としてのみ保険適用
- 保険診療なら月5,000-10,000円前後で利用可能
- 自費診療では 2-3万円以上/月+追加費用がかかることも
- 日本糖尿病学会も「ダイエット目的の使用は認めない」と注意喚起
- 当院は糖尿病専門医が正しい保険診療のみを提供し、自費診療は行っていません
著者:
東京都中央区日本橋人形町
玉寄クリニック
副院長・日本糖尿病学会認定糖尿病専門医
玉寄皓大