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夏の発熱や倦怠感は熱中症ではなくコロナかも?悪化させないために早めに見極めよう!

[2021.07.14]

熱中症と思っていたら実はコロナ?

今年もまた暑い夏の季節が到来しました。

2022年はコロナ禍になってから迎える3度目の夏となります。

 

暑い夏に患者さんが増える「熱中症」と「新型コロナウイルス感染症」は、症状で似ている部分がいくつかあります。

 

「暑いから熱中症かな?」と思っていたら、実は新型コロナウイルス感染症に感染していてコロナの症状であった、ということがコロナ禍になった2020年以降国内でも多数発生しています。

 

熱中症、新型コロナウイルス感染症のどちらも重症化すると死に至るため、しっかりと早期に見極めることが重要となります。

 

ここでは、新型コロナウイルス感染症と熱中症の見分け方について簡単に解説していきます。

 

新型コロナウイルスと熱中症の症状の比較

熱中症   新型コロナウイルス感染症
発熱、倦怠感、頭痛、嘔気、筋肉痛、関節痛 共通しやすい症状 発熱、倦怠感、頭痛、嘔気、筋肉痛、関節痛
筋痙攣 区別しやすい症状 咽頭痛、咳、鼻水、味覚・嗅覚障害

 

発熱、倦怠感、頭痛などは熱中症、新型コロナウイルス感染症ともに認めることが多く、これらの症状だけでは判断がしづらいのが実状です。

 

しかし、新型コロナウイルス感染症と熱中症はその原因が全く異なります。

 

そのため「原因」や「過程」に注目していくと、判断がしやすくなります。

 

新型コロナウイルス感染症と熱中症の鑑別のポイント

新型コロナウイルス感染症は、ウイルスが人から人へとうつり発症する「感染症」です。

 

それに対して、熱中症は炎天下の中で活動したり、真夏に冷房をつけずに部屋にこもっていたりするなど、ある一定の「環境」がなければ起きることがない、いわゆる「環境障害」になります。

 

「感染症」であれば、風邪をイメージして頂ければわかりやすいと思いますが、最初は喉の痛みや鼻水などの軽い症状から始まり、その後に熱が出てくることが多いかと思います。

 

それに対して、熱中症のような「環境障害」は、炎天下の中で活動したり、真夏に冷房をつけずに部屋にこもるようなある一定の条件を満たしたときに、症状が発症します。

 

また、感染症ではないので、鼻水や喉の痛みを最初に自覚するといったことは典型的ではありません。

 

上記のような、症状が出るまでの「過程」をしっかりと見極めることが診断に有用となります。

 

しかし、自己判断を行うのは危険です

 

特にコロナのワクチン接種を複数回されたことがある方はコロナに感染していても症状が軽症であることが多く、また感染力の強い新株であるBA5が爆発的に増えてきている国内の現状(2022年7月現在)ではどこで感染していてもおかしくはないです。

 

新型コロナウイルス感染症の確定診断には、「新型コロナウイルスPCR検査」が必要になります。

 

上記のような症状を認めた際は、自己判断は行わずかかりつけの医療機関に相談するようにしましょう。

 

コロナ禍における熱中症の予防方法

コロナ禍における熱中症予防には以下の工夫が挙げられます。

 

●室内で出来る工夫

・扇風機やエアコンで温度を調整する

・遮光カーテン、すだれ、打ち水を利用する

・室温をこまめに確認する

・エアコンを使用中もこまめに換気する(一般的な家庭用エアコンは室内の空気を循環させるだけで換気はしていない)

 →新型コロナウイルス対策にもなります

・こまめに水分補給を行う

 

●屋外で出来る工夫

・日傘や帽子の着用

・日陰の利用、こまめな休憩

・天気の良い日は日中の外出を出来るだけ控える

・通気性の良い服を着用する

・保冷剤、氷などで身体を冷やす

・激しい運動は控える

・こまめに水分補給を行う

・他人と2m以上の充分な距離が離れている時はマスクを外す

 

今年の夏も熱中症対策、新型コロナウイルス対策のそれぞれに気を配りながら、体調に不安を感じた際はかかりつけの医師に早めに相談するようにしてください。

 

  玉寄クリニック 副院長

  糖尿病内科・内科 玉寄皓大 

(2022年7月19日更新)

 

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